【導入事例】ハンス・ジマーの世界 –
An Immersive Symphony.The Theatre Experience
Specteraのパイオニアであるヴェルナー・シュミードルとソーベン・シュトロハイムによる、広帯域ワイヤレスシステムのテスト
(本資料は、ドイツ2025年2月26日に発表されたプレスリリースの抄訳です)
「ハンス・ジマーの世界 – An Immersive Symphony. The Theatre Experience」は、フィルム・コンポーザーの巨匠ハンス・ジマーの手がけた映画音楽のライブコンサートであり、オーバーハウゼンのメトロノームシアターを訪れた観客を感動的な音楽の旅へと導きました。本公演はSemmel Concertsが制作を担当、息を呑むような照明と音響とステージのテクノロジーをSatis & Fyが担当し、2025年1月23日から3月2日まで開催され、15公演でチケットが完売となり、2万2,000人以上のファンを魅了しました。ハンス・ジマー自身は巨大な3D映像の姿で登場し観客に語りかけ、舞台裏では、モニターエンジニアのヴェルナー・シュミードル(Werner Schmidl)とRFマネージャーのソーベン・シュトロハイム(Thorben Ströhlein)もハンス・ジマーの登場を歓迎していました。ヴェルナーとハンスはSpectera Pioneerプログラムの一環として、ゼンハイザーのSpecteraを使い、数名のミュージシャンに、インイヤーとライン/マイクで信号を送信しました。

Pioneerプログラムとの連携を持ちかけたのは、FOHエンジニアであったホルガー・シュワーク(Holger Schwark)でした。シュワークは、コリン・ピンク(Colin Pink)およびクリスチャン・スタインハウザー(Christian Steinhäuse)とともに、ハンス・ジマーの音楽を集めた、本公演のサウンドデザイナーも務めていました。
このような関係から、1月には、ゼンハイザーのペル・ウィッテ(Per Witte)がSpectera Base Stationと10を超える双方向1.4 GHzボディパックをオーバーハウゼンでのリハーサルに持ち込むようになり、技術アプリケーションエンジニアであるゲルハルト・スパイラ(Gerhard Spyra)が提供したシステムに関する技術的な説明も行いました。モニターエンジニアのシュトロハイムは、次のように話しています。
「おそらく僕たちは大変な思いをすることになるだろう、と当然思いました。準備期間がまったくありませんでしたからね。しかし、実際のところは大きな問題ではありませんでした。というのも、比較的システムの設計が簡単にできたからです」

テクノロジーにとっても、RFマネージャーにとっても、特別な機会
この度のSpecteraテストで注目すべき点の1つは、今回がヴェルナー・シュミードルにとって、RFマネージャーとしての初仕事だったということです。「普段、私はFOHシステムが担当で、たとえばピーター・マッファイ(Peter Maffay)のもとで、長年この仕事をしました。もちろん、これまでにもワイヤレスシステムの仕事をすることはたまにありました。しかし、今回は私にとって、RFマネージャーとしての最初の大仕事です。会場では、Specteraアンテナを使ってRF環境をスキャンし、周波数に問題がないことがわかりました。なにもかもが、簡単にできました!」
「ボディパックのおかげもあるでしょうね。とても使いやすいのです」とシュトロハイムが付け加えました。「バッテリーを装填したら、すぐに仕事ができるのです!」4本のDADアンテナがLEDカーテンに設置された結果、ステージに没入感のある空間が生まれ、ミュージシャンと観客の両方が光と動画の幻想的な世界へと誘われました。

双方向が正解かもしれない
当初、シュミードルとシュトロハイムは、Specteraをインイヤーシステムとしてのみ使用するつもりでした。「しかし、その後に、双方向機能を使ってもいいのでは?と思うようになりました。結果的に、それで最大の効果を得られたのです」とシュトロハイムが説明しています。
そのため、シュトロハイムはバイオリニストのアレクサンドラ・チルス(Alexandra Tirsu)、ベースプレイヤーのマルテ・ウィンタ(Malte Winter)、ギタリストのジュリアン・カスタニエ(Julien Castanié)および木管楽器プレイヤーのサウリュス・ペトレイキス(Saulius Petreikis)にSpecteraベルトパックを装着させ、インイヤーモニター(IEM)とライン/信号の両方の機能を使えるようにしました。また、シュトロハイムとともに、ボーカリストのカーラ・シャムーン(Carla Chamoun)とフューチャーラブ・シバンダ(Futurelove Sibanda)、パーカッショニストのマレイケ・エイドゥミュラー(Mareike Eidemüller)とベンジャミン・ロイシュナー(Benjamin Leuschner)、ドラムのアンドレアス・クルト(Andreas Kurth)、キーボードプレイヤー、アコーディオン奏者、ならびに制作のミュージカルディレクターを務めたクリストファー・ボーネッカー(Christoph Bönecker)は、IEM(インイヤーモニター)の機能のみ使用しました。全体として、シュトロハイムは合計22のモニターミックスを処理しました。

シュミードルは、Spectera WebUIを使ってパックの設定を行いました。
「これにはとても助かりました。iPadを使って作業ができますからね。それだけじゃなく、コンピューターのアップデート後に不具合が発生するリスクも解消できます」
「納得」の瞬間
双方向Specteraベルトパックのインイヤーでの伝送機能に、これまでアナログのインイヤーシステムだけを使ってきた人々は即座に感銘を受けました。ソーベン・シュトロハイムは次のように述べています。
「ノイズがまったくなく、すべてのサウンドが驚くくらいきれいで、ヘッドフォンでの音の広がりは驚異的です。マイクロフォンの信号もとても良好です。すべての音が自然に響いています」

システムの特性をさらに詳しく説明してほしいと言われたシュミードルは、こう答えました。
「ソフトウェアでパックのインイヤーでの音量を変更できるところが、とくに気に入っています。音量が大きすぎると思ったことが何回かあり、それを変更することができました。別の周波数を追加すべきかどうかで悩む必要がなくなったのも、すばらしいと思います」

エコシステムの発展
彼らは、ゼンハイザーに対し、エンドレスのロータリー音量制御、WebUIおよびそのキュー機能への要望など、Specteraエコシステムのさらなる発展につながる有益なフィードバックを寄せています。ウィッテは、次のように話しています。
「このようなフィードバックは私たちにとってきわめて重要で、これによって、システムをさらに補完できるようなり、ファームウェアのアップデートを通じて、フィードバックでの指摘が活かされています。これこそがまさにPioneer Program設立の目的であり、私たちは、正直なフィードバックを送ってくれるチームにとても感謝しています」
テスト段階から、Spectera制作チームは完全なバックアップシステムを用意していましたが、実際にはそれに頼ることなく、チームは公演全体を通じてSpecteraを使用し続けました。シュトロハイムは、こう話しています。
「アナログシステムを使用していたら、たくさんのものの入れ替えが必要だったでしょうが、Specteraによって、制作ははるかに簡単になりました。ノイズがないかチェックするような状況がよくありますが、ノイズはまったく発生していません。準備が一旦整えば、あらゆることが適切に機能しているのがわかります。このように、仕事がとてもやりやすくなっています」
シュトロハイムはまた、次のように述べています。
「米国では、公演の期間を通じて一定の周波数帯を維持するのは、RFマネージャーにとって困難な仕事です。Specteraを用いることで、よりリラックスして仕事ができるように思います。このシステムは、多くのアーティストがこれまで慣れ親しんできたものとは違う仕組みで機能しているため、アーティストへの対応も必要になりますが、システムのコンパクトさは他の追随を許さないものとなっています。もちろん、これはパフォーマーにとってもすばらしいことで、現在は1つのベルトパックがあればよいのです」

オーバーハウゼンでのワールドプレミア
「ハンス・ジマーの世界 – An Immersive Symphony」を通じて、Semmel Concertsはまたもたくさんの人の視覚と聴覚を楽しませ、オーバーハウゼンの地から、世界のステージを席巻しようとしています。ハンス・ジマーの独創的な映画音楽と舞台芸術との融合、またその親しみやすさとインパクトが、オーバーハウゼンの観客に深く、長い感動を与えました。また、優れた技能を持ち、演奏することの楽しさを教えてくれた、才能豊かなミュージシャンたちによって、今回の公演が人々の記憶に残るものとなりました。
本公演の体験に関する記事と意見は、Semmel Concerts TV(https://www.youtube.com/watch?v=Plz6UuZZlxU)よりご覧いただけます。
本プレスリリース掲載の写真は こちらからダウンロードいただけます。
ゼンハイザーブランドについて
オーディオと共に生きるゼンハイザー。世の中を変えるオーディオ製品を作りだすことに情熱を捧げ、オーディオの未来と素晴らしいサウンド体験を築く。これこそが75年以上もの歳月、変わらずに掲げてきたゼンハイザーの意義です。Sennheiser electronic SE & Co. KGはマイク、会議システム、ストリーミング技術、モニタリングシステムなどの様々なプロオーディオ事業を展開しながら、ヘッドホン・イヤホン、サウンドバー、スピーチ-エンハンスヒアラブルデバイスなどの一般消費者向け事業をSonova Holding AGへのブランドライセンス事業で展開しています。
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